世界100ブランド大図鑑 第1章 ヨーロッパ編|博士の29ブランド買い付け旅行

白ブリーフ研究所の博士・ヨーロッパ編 白ブリーフ研究
  1. プロローグ――まだ軽い鞄を持って
  2. 創作旅行記について
  3. フランス――最初の袋が増えるまで
  4. 001|HOM――白い一枚の、入口から考え直す
  5. 002|Eminence――懐かしい形の、その糸の中へ
  6. 003|DIM――何でもない朝のための、三枚組
  7. 004|Mariner――雨の日にも、装う楽しみは残る
  8. 005|L’Homme Invisible――布の向こうに、自分の好奇心を見る
  9. 006|TOF Paris――昼の白にも、夜の街の気配がある
  10. 国境を越えて――袋は一つのままではなくなった
  11. ドイツ――糸、編み地、輪郭をたどる
  12. 007|SCHIESSER――舞踏室から始まった、毎日の下着
  13. 008|mey――白い布の中に、空気の居場所を探す
  14. 009|Olaf Benz――小さな輪郭に、作り手の仕事が集まる
  15. 010|MANSTORE――同じ旅の中で、少し違う自分を選ぶ
  16. 011 HANRO――人に見せない朝のために
  17. 012 Zimmerli――新しく覚える人の、一枚
  18. 013 CALIDA――休む時間まで、旅のうち
  19. スイスからイタリアへ――切符の余白、街の余白
  20. 014 Dolce & Gabbana――白い一枚に、小さな式典を
  21. 015 Diesel――袖をまくる日の、もう一つの顔
  22. 016 Yamamay――自分には許していなかった色
  23. 017 Perofil――ポケットのハンカチが教えたこと
  24. 018 Lovable――帰ってからの暮らしを思い出す
  25. 019 Tezenis――知らない曲にも、足は動く
  26. イタリアから英国へ――色鉛筆の線、その続きを
  27. 020 Sunspel――布の中に、空気の居場所をつくる
  28. 021 Marks & Spencer――何でもない朝を、支える三枚
  29. 022 Kiniki――小さくすることで、何を残すか
  30. 英国からスウェーデンへ――見るだけだった場所へ
  31. 023 Björn Borg――名前に追いつくより、外へ出よう
  32. スウェーデンからデンマークへ――朝の予定を一つ空ける
  33. 024 JBS――いつもの一枚が、いつもの店へ届くまで
  34. デンマークからポーランドへ――まっすぐでない道も、歴史になる
  35. 025 Atlantic――白い一枚にも、再出発がある
  36. ポーランドからスペインへ――残りの頁を、急がずに
  37. 026 Abanderado――誰かの定番を、自分の選択にする
  38. 027 Rapife――洗って、また着る日のために
  39. 028 ADDICTED――輪の外から、もう一歩
  40. 029 ES Collection――引き出しにも、花を迎える
  41. エピローグ――閉まらない鞄と、開いたままの好奇心

プロローグ――まだ軽い鞄を持って

出発の朝、博士は旅鞄の中をもう一度確かめた。

着替え、洗面道具、四角い眼鏡の予備。そして、真新しい買い付けノート。最後に折り畳みの袋を一つ忍ばせてから、何事もなかったように蓋を閉める。

「資料は、旅先で増えるものじゃからな」

その言い方には、長年の経験に裏打ちされた落ち着きがあった。ただし、何の経験なのかは少々あやしい。

最初の舞台はフランス、マルセイユ。港を渡る風に白髪の七三分けを揺らされながら、博士は淡いブルーのシャツの襟を整えた。岸辺には船が並び、カフェからは食器の触れ合う音が聞こえる。研究室の机で眺めていた地図が、ようやく足元の道になった。

今回の旅で出会うのは、世界の100ブランド。ヨーロッパでは、その最初の29ブランドを訪ねていく。

どうしてこの形になったのか。どんな糸を選び、何を変え、何を残してきたのか。作り手の歩みを知れば、いつも見慣れた白い一枚も、少し違って見えるはずだ。

博士はノートの最初に「001」と書き、その下へ小さく、自分だけの規則を添えた。

一ブランドにつき、研究材料は一枚。

サイズの規則は書かなかった。そこだけは、最初から決まっていた。

「百聞は一見にしかず。百ブリーフは一穿きにしかず!」

威勢よく言ってから、博士は周囲を見回し、少し声を落とした。

「さて。まずは一枚目からじゃ」

創作旅行記について

本稿は、実在ブランドの公式資料と掲載商品をもとにした創作旅行記です。博士の移動、買い物、会話、荷物にまつわる出来事は物語上の演出であり、実際の店舗訪問・メーカー取材・購入・着用の記録ではありません。商品の性能や着用感を実証したレビューでもありません。

フランス――最初の袋が増えるまで

001|HOM――白い一枚の、入口から考え直す

研究材料:HO1 Briefs・ホワイト
商品識別情報:359521-400003

マルセイユの旧港を離れるころ、博士の足取りは朝より少し速くなっていた。カフェでは地図を何度も逆さにしていたのに、下着を選ぶ段になると迷いがない。最初の目的は、白い「HO1 Briefs」。ところが、その前面を見て、四角い眼鏡の奥の目が丸くなる。

「おや。入口が横を向いておる」

HOMは1968年、南フランスに生まれたメンズ下着ブランドだ。身体を支える機能と、形やデザインをともに追求してきた。その姿勢をよく伝えるのが、1997年に登場した横開きのHO1。「Horizontal Opening No.1」の名を持つ構造で、公式説明では右利きにも左利きにも使いやすい設計として紹介されている。

色や柄を変えるだけでなく、毎日使う開き方そのものを考え直す。博士はそこに惹かれた。見慣れた道具の、誰も立ち止まらない場所に手を入れる。白いブリーフにも、そんな工夫の余地があったのだ。

選んだホワイトは、綿とモダールを組み合わせ、エラスタンを加えた生地。脚の付け根をすっきり見せるミニブリーフの形に、伸縮性のある前部の裏地を備える。横開きだけが浮いた仕掛けではなく、生地と前部の作りを合わせて一枚にしている。

博士は一度、隣の色へ視線を移した。旅先では、いつもの自分より少し大胆になりたくなる。だが最初の一枚は白にしよう。色に気を取られず、この形をじっくり眺めたい。それに、白い一枚を穿く朝を想像すると、どうしても口元が緩む。

「研究材料ですぞ。旅の初日に、自分への土産を買っておるわけではない」

そうつぶやいて選んだサイズだけは、驚くほど早かった。小さな買い物袋を受け取ると、博士は潰さないよう鞄のいちばん上へ収める。まだ一枚。荷物には十分な余裕がある。

次は西へ、ガール県のほうへ。列車の窓辺で博士は袋を一度だけ覗き、次のブランド名を指でたどった。Eminence。同じ南フランスの白い一枚でも、今度はどんな作り手の考えに出会えるだろう。

〈商品注記〉
公式掲載の組成は綿65%、モダール22%、エラスタン13%。横開き、ミニブリーフ形状、伸縮性のある前部裏地は商品説明に基づく。開口寸法や細かな内部構造、着用感は本稿では確定しない。物語の買い物場面は、特定店舗の取扱いや現在の在庫を示すものではない。

〈系列メモ〉
HUBER Holding系列。後に紹介するHANROとは同系列の別ブランドとして扱う。

〈出典〉
選定商品:
https://www.hom.com/products/ho1-briefs-ho1-white-359521-400003

ブランドの起源・設計方針:
https://www.hom.com/pages/brand

HO1の名称・1997年の横開き導入:
https://www.hom.com/pages/ho1

HOM・HANROの系列:
https://huberholding.com/en/companies-and-brands/

002|Eminence――懐かしい形の、その糸の中へ

研究材料:Coton Premium 前開きブリーフ
選定色:白
公式Ref:1E70

ガール県へ進むと、博士は広場のカフェでひと息ついた。椅子の横には、朝より大切そうに扱われる旅鞄。次の目的地を確かめる前に、まず珈琲をひと口飲む。HOMの横開きが頭に残っているせいか、目の前の砂糖袋まで、どこから開けるのがよいか考えてしまった。

次に向き合うEminenceは、1944年にニームで始まった歴史を持つ。ガール県のエマルグとソーヴに拠点を置き、編み立てや裁断などの技術をフランスに残してきた。企業紹介が強調するのは、糸を選ぶところから製品を仕上げるまでのものづくりだ。完成した形だけでなく、その形を作る手前にも仕事がある。

博士が選ぶ「Coton Premium 前開きブリーフ」、Ref 1E70は白のハイウエスト。深めの形と前開き、二重の前部を見ると、長く親しんできたブリーフの姿を思い出す。ところが、生地の説明には、綿の糸の芯にエラスタンの糸を使う工夫が記されていた。肌に触れる綿と、伸びに関わる糸を組み合わせる発想である。ウエストにも独自に開発した編み地の帯を使っている。

「昔ながらの顔をして、糸の中では新しい仕事をしておるのだな」

博士は、これをただ懐かしい一枚として選ぶつもりだった自分を、少し訂正した。慣れた形を残すことと、作り方を工夫することは両立する。横開きに目を奪われた朝とは違い、今度は外から見えにくい糸の仕組みが気になってきた。

白い一枚を選び、箱を持つと、博士は急に真剣な顔になる。研究材料の数ではない。鞄にどう入れるかの問題である。先ほどのHOMを下敷きにはしたくないし、地図を捨てるわけにもいかない。

「一ブランド一枚。規則は守っておる。少々、箱が立派なだけじゃ」

ホテルで荷物を並べ直すと、二つの白いブリーフは、もう同じものには見えなかった。開き方に心を動かされ、糸の作りにもう一度立ち止まる。博士は明日の予定にDIMの名を見つけ、出発時には畳んでいた予備の袋を、そっと鞄の外ポケットへ移した。

〈商品注記〉
選定済みの公式URLとRef 1E70を維持。取得した商品ページの組成欄は綿95%、エラスタン5%。「肌に触れる部分は綿」という説明と、製品全体が綿100%であることは区別する。

同ページの主要調達情報では、編み立て・染色はフランス、縫製はモロッコとされ、個別製品の詳細は包装のQRコードで確認する案内がある。ブランドのフランスでの歩みを、この商品が全工程フランス製という意味には用いない。

〈系列メモ〉
Delta Galil系列。SCHIESSERとは同系列の別ブランドとして扱う。

〈出典〉
選定商品・糸の構造・ウエスト・組成・生産工程:
https://www.eminence.fr/products/slip-homme-ouvert-coton-premium-eminence_01e706901

1944年のニームでの誕生・ガール県の拠点:
https://www.eminence.fr/pages/fait-en-france

製造方針・系列:
https://ir.deltagalil.com/brands/eminence/default.aspx

国内工程と海外協力工場の区別:
https://www.eminence.fr/pages/tracabilite

003|DIM――何でもない朝のための、三枚組

研究材料:コットンストレッチ・3枚組
対象商品URLの色:黒

翌朝、博士はホテルの朝食で、パンを一つだけ取るつもりが二つ載せてしまった。皿を見下ろして苦笑する。昨日から「一つ」という言葉に、どうも融通が利くようになっている。鞄の外ポケットには、まだ畳まれた予備の袋が顔を出していた。

この日のDIMは、白い定番から少し離れた黒のコットンストレッチ三枚組だ。女性用ストッキングの歩みを持ち、身体を自由にする発想をブランドの中心に置いてきたDIM。公式の紹介では、時代の服装や暮らしに応じて下着を変えてきた姿勢が語られている。下着だけが立派でも、その人の一日に馴染まなければならない。博士はその考え方を、今朝の旅支度に重ねた。

選定商品は綿96%、エラスタン4%。黒い本体に、白いDIMの文字を置いたウエスト。前の二枚で気になった開き方や糸の仕組みとは違って、今度は日々の着替えを揃える姿が浮かんでくる。三枚を一組にする売り方も、その暮らしの一部なのだろう、と博士は思った。

「なるほど。大事件のない朝にも、下着の出番はあるからな」

旅のノートは、発明の年表だけでは足りないらしい。忙しく出かける日、洗濯物を畳む日、帰ってきて着替える日。そんな場面に同じ黒い一枚が繰り返し現れることにも、図鑑へ残したい意味がある。

ところが、買う段になって博士の指が止まった。一ブランド一枚の規則に対して、袋の中は三枚。しばらく考え、標本にする一枚を心の中で決める。

「残り二枚は予備じゃ。研究を続けるにも、着替えは要る」

予備という言葉は、便利だった。朝のパンとは違い、こちらは後から一つ返せない。博士は折り畳みの袋を初めて広げ、三枚組を底へそっと入れた。黒い持ち手が手首に収まる。昨日までの軽装に、小さな変化が生まれていた。

〈商品注記〉
公式商品名は「Lot de 3 slips noir Homme en coton stretch」。REFCOはD6595T3-0HZ。綿96%、エラスタン4%。黒の三枚組で、白いロゴを配したウエストが説明されている。前開きの有無、個別製造国は今回確定していない。

〈系列メモ〉
既存稿の系列記録「DIM Brands International系列、Lovable・Abanderadoと関連」を継承する。現在の系列状況については今回の追加確認が完了していないため、現況確認済みとは扱わない。

〈出典〉
既存の選定商品:
https://www.dim.fr/products/lot-de-3-slips-noir-homme-en-coton-stretch

ストッキングからの歩み・ブランド方針:
https://www.dim.fr/blogs/news/valeur-de-la-marque

004|Mariner――雨の日にも、装う楽しみは残る

研究材料:白ハイウエスト前開きブリーフ

リヨンへ向かう途中で、空が雨色になった。ホテルへ着くと、博士は濡れた上着を掛け、椅子の背にシャツを丁寧に広げた。旅の高揚がひと息ついた部屋では、外出着よりも、休むための衣服が気になってくる。次のMarinerを知るには、ちょうどよい時間だった。

1967年に生まれたMarinerは、下着とパジャマを通じて、家で過ごす時間にも装う楽しさを提案してきた。公式沿革には、1970年代の「flâneur」のパジャマと広告の話がある。くつろぐことと、身なりを楽しむこと。その両方を日常へ持ち込もうとしたブランドである。

生地を選び、裁断の形を点検し、必要なら調整する。ブランドが語るものづくりは、奇抜な発明一つより、そうした積み重ねに重心がある。博士は椅子に掛けた自分のシャツを見た。長く手に取る服ほど、説明しにくい小さな理由が、いくつも隠れているのかもしれない。

代表に選ぶのは、白いハイウエストの前開きブリーフ「Emile」。細かな一対一のリブ編みを使う綿100%の本体に、紺色のウエストが組み合わされている。公式には映画『時計じかけのオレンジ』との関わりも紹介される一枚だが、博士が見入ったのは、白の上にすっと通る紺の帯だった。

「わしのネクタイと、もう話がついておるようじゃ」

紺のネクタイを指先で持ち上げて、満足そうに頷く。映画の登場人物になるつもりはない。ただ、いつもの服の内側に、ひそかに揃う色がある。それだけで、選ぶ時間はずいぶん楽しくなる。

包みを手にした帰り道には雨が上がっていた。博士は水たまりを避け、少し遠回りしてパン屋へ寄る。今夜は部屋で食べよう。机に敷いた地図の端をMarinerの箱で押さえると、次の目的地、パリがぴたりと見える位置に収まった。

〈商品注記〉
既存URLの現行商品名は「Slip Homme Taille Haute Ouvert Blanc – Emile en Cote Fine avec Ceinture Marine」。Ref 424 001。白、前開き、ハイウエスト、細かな1×1リブ、綿100%の表記を確認。個別製造国は今回確定していない。

〈出典〉
既存の選定商品:
https://mariner-underwear.com/products/slip-homme-taille-haute-ouvert-blanc

創設年・パジャマの歩み・素材と裁断への方針:
https://mariner-underwear.com/en/pages/histoire-mariner

005|L’Homme Invisible――布の向こうに、自分の好奇心を見る

研究材料:Beyond Invisible Bellevue

パリでは、雨上がりの光が窓という窓を明るくしていた。博士はカフェの薄いカーテン越しに通りを眺め、向こうが見える布と、何も隔てるものがない窓とでは、景色の感じが違うことに気づく。次に選ぶL’Homme Invisibleの一枚は、その小さな発見を下着の話へ連れていった。

1986年にパリで生まれたこのブランドは、フランスの芸術や建築、ファッションから着想を得ると紹介している。下着を身体のための道具としてだけでなく、身につける人の感性を表す衣服として考える。レース、チュール、ベルベットなど、素材の表情を生かすものづくりも、その考え方につながっている。

代表商品「Beyond Invisible Bellevue」は、黒い薄手のチュールを用いたブリーフ。公式商品説明ではイタリアの生地とポルトガルでの製造が示される。ここで博士が興味を持ったのは、何かを足して飾る方法ではなく、布を通る光によって印象を作る方法だった。

Marinerでは白と紺の境目を眺めた。今度は境目の向こうまで、見せ方の一部になる。下着の作り手が選ぶのは、色だけでも、形だけでもない。どのくらい見せ、どんな余白を残すか。それもまた衣服の設計なのだ。

博士は自分の白いシャツを見て、それから黒い一枚へ視線を戻す。少し迷った。自分の引き出しに置いた姿が、まだうまく想像できなかったからだ。

「引き出しのほうにも、新しい住人に慣れてもらわねばな」

言い終わると、迷いが少しほどけた。誰かに見せる予定があるから選ぶのではない。自分の好奇心を、自分で歓迎してみてもよいだろう。

夕方の通りで、博士は小さな包みを鞄の内側へ収めた。荷物の中には、もう白だけが並んでいるわけではない。翌日のTOF Parisの名を眺めながら、今度はどこまで気持ちが動くのか、少し楽しみになっていた。

〈商品注記〉
既存URLの主見出しは「Beyond Invisible Bellevue Slip Black」。黒い薄手のチュール、イタリア製生地、ポルトガルでの製造という商品説明を使用した。繊維組成・混率は今回確定していない。

同ページ後段には別呼称「Boxer Brésilien」の説明も混在するため、そこにある前部構造などを本商品の確定仕様として転用していない。ブランド紹介にある「100% Made in France」という包括表示も、この個別商品の製造国へ転用しない。

〈出典〉
既存の選定商品:
https://www.lhommeinvisible.com/en/mens-underwear/mens-underwear-styles/briefs/beyond-invisible-bellevue-transparent-briefs-for-men?id_product_attribute=10561

パリでの歩み・芸術や素材を重視する方針:
https://www.lhommeinvisible.com/en/our-story

006|TOF Paris――昼の白にも、夜の街の気配がある

研究材料:French Briefs White

翌日のパリでは、劇場のポスターを貼り替える人の横を通った。まだ昼なのに、紙の上には夜の色がある。博士は立ち止まり、今夜の予定を一つ増やしかけたところで、鞄からはみ出した買い付けノートを押し戻した。まずはTOF Parisである。

ブランドの公式ストーリーに登場する創業者Sylvainは、仕立てをする母親の影響を受け、幼いころから型紙を作っていたという。その後は法律を学び、大学で教える道も経て、フランスへ渡り、服づくりを志した。博士は、同じ人物の中に学問と服への情熱が並んでいることを、妙に心強く思った。

「人生の途中で、針路を変えてもよいわけじゃな」

夜の催しやクラブ文化から着想を得るTOF Parisは、異素材や大胆なカットを使った装いを展開している。けれど今回選ぶのは、光る衣装ではなく「French Briefs White」。白い綿混のブリーフにも、ブランドの形への関心は表れている。

ローライズの腰、切り上がった脇、ゆとりを設けた二重の前部。ウエストにはロゴ入りのジャカードを組み合わせる。綿95%にエラスタン5%という生地を、どの輪郭へ仕立てるか。同じ白を選んでも、朝に見た劇場のポスターのように、線の引き方で気分が変わるのだと博士は感じた。

博士は一枚を選び、包みを鞄へ入れた。そのあと、紺のネクタイの結び目をほんの少し緩める。別人になる必要はない。今の自分に、少し違う選択を許せばよい。

夕食のあと、予定どおり劇場の前まで歩いてみた。公演の時間には間に合わなかったが、灯りの下の人々を見ているだけでも楽しい。博士は明日の列車の切符を取り出し、端が折れないようノートへ挟む。

フランスで増えたのは、袋だけではなかった。自分が選びそうにない一枚へ、足を止める時間も増えていた。次の朝、その好奇心ごと、博士はドイツへ向かう。

〈商品注記〉
既存の商品名・白色・URLを維持。公式商品ページの検索収録情報には、綿95%、エラスタン5%、ローライズ、ハイカット、二重の前部、ジャカードのウエスト、パリでの設計・縫製、Made in Franceの記載がある。

個別ページの直接取得は完了せず、同一公式URLの検索収録本文を使用した。現在の在庫や販売状況を直接確認できたという意味ではない。前開きの有無は今回確定していない。

〈出典〉
既存の選定商品:
https://www.tof-paris.com/en/underwear-briefs/677-french-briefs-white.html

創業者の歩み・デザイン方針:
https://www.tof-paris.com/en/content/4-tof-story

国境を越えて――袋は一つのままではなくなった

フランスを離れる朝、博士は鞄と予備の袋を並べ、持ち手を左右の手で交換した。どちらに何を入れるかで、歩きやすさまで変わる。

列車が動き出すと、街の建物がゆっくり後ろへ流れた。博士がこれから訪れる場所と、各ブランドが生まれた場所は、いつも重なるとは限らない。それでも地図の上にメーカーの歩みを置いてみると、旅程には乗換駅以上の意味が生まれていた。

ドイツでは、どんな布の仕事に出会えるだろう。窓に映る博士は、出発前より少し楽しそうだった。

ドイツ――糸、編み地、輪郭をたどる

007|SCHIESSER――舞踏室から始まった、毎日の下着

研究材料:コットンストレッチ・3枚組
対象商品URLの色:黒

ボーデン湖のほうへ進むと、車窓の光が水面で揺れた。博士はラドルフツェルの名をノートに見つける。SCHIESSERの始まりを知ってから、駅で目にする町の名前が、ただの乗換案内ではなくなっていた。

1875年、Jacques Schiesserと妻Malwineは、この町の宿「Schwert」の舞踏室を借り、九台の丸編み機で生産を始めた。翌年には自分たちの工場へ進む。いま知られる下着ブランドの出発点が、工場専用の大きな建物ではなく、宿の一室だったという話に、博士はしばらく足を止めた。

踊る人のための部屋が、布を編む仕事場になる。その始まりを思うと、長く続くメーカーの名前にも、人が場所を探し、道具を揃えた最初の日があることが伝わってくる。

今回の代表は、黒いコットンストレッチの三枚組。「95/5」ラインで、綿95%とエラスタン5%を用いた伸縮性のあるシングルジャージー。ウエストと脇のグレーのラインが、黒い本体をすっきり区切っている。老舗という言葉から想像する古い形だけが、ここにあるわけではない。

博士は、これまでの白い二つの前開きや、パリで選んだ大胆な輪郭を思い出した。その間に、この黒い定番を置いてみる。目立つ仕掛けが少ないぶん、毎日の服としてどんな組み合わせを選んでいるかが気になってきた。

「長く続くというのは、同じ朝を大切にすることでもあるのかもしれんな」

ホテルで荷物を整理すると、今度は中身より、箱の角が場所を取っていた。博士は箱を無理に潰さず、一つずつ中身と表示を対応させて並べる。大切な表示を残しながら、旅を続ける形を考える。

気づけば夕食の時間だった。九台の機械から始まった話を読んだ日、博士の机もまた、小さな仕事場のようになっていた。畳み直した予備の袋は、もう元の薄さには戻らない。

〈商品注記〉
公式商品名は「Briefs 3-Pack Black – 95/5」。商品識別情報173815-000。黒のRio briefs三枚組、綿95%、エラスタン5%、伸縮性のあるシングルジャージー、脇のグレーのラインを確認。サイズを含むSKUと基本の商品識別情報は区別する。前開きの有無、個別製造国は今回確定していない。

〈系列メモ〉
Delta Galil系列。Eminenceとは同系列の別ブランドとして扱う。

〈出典〉
既存の選定商品:
https://shop.schiesser.com/en/products/briefs-3-pack-black-95-5-173815-000

創業者・1875年の創業・九台の丸編み機:
https://www.schiesser.com/en/company/company-history/

企業紹介・系列:
https://ir.deltagalil.com/brands/schiesser/default.aspx

008|mey――白い布の中に、空気の居場所を探す

研究材料:Dry Cotton Breeze・ホワイト

次の移動では、列車の窓際の席に座った。日が差す側は暖かく、上着を脱ぐと、今度は首元に少し空気が動く。博士は上着を着たり畳んだりしてから、苦笑した。旅では景色ばかり見ているようで、身体はずっと、温度や布の具合と相談している。

meyの歩みは、1928年にFranz Meyが始めた受託の編物工場にさかのぼる。婦人下着への専門化を経て、1984年には男性下着の展開を始めた。形になった衣服を選ぶ以前に、生地をどう作るか。その仕事を出発点に持つブランドだ。

今回の「Dry Cotton Breeze・ホワイト」でも、博士の目は、白という色の奥へ向いた。公式説明によれば、生地には細かな通気孔があり、透けにくさも考慮されている。組成は綿57%、ポリエステル38%、エラスタン5%。さらに、布で覆ったウエスト部分と脚ぐりの作りが、一枚の輪郭を整えている。

L’Homme Invisibleでは、布の向こうを見せることに惹かれた。ここでは、空気を通す設計と、見え方を抑える設計が並ぶ。同じ「薄く軽そう」という第一印象からでも、作り手が取り組む課題は違うのだ。

博士は白い一枚を前に、暑い日の帰宅を思い浮かべた。玄関で鞄を置き、窓を開け、少しだけ涼しくなるのを待つ。そんな日の自分へ渡したいと思うと、買い付けは急に、未来への小さな贈り物に見えた。

「夏のわしにも、旅の土産を残してやろう」

そう決めてから、博士は予備の袋の持ち手を持ち直す。先ほどまで生地の中の空気に感心していたのに、自分の荷物の中には、空気の居場所が少なくなっている。

駅前で冷たい飲み物を買い、ひと口だけ休憩した。ノートの余白には、繊維の名前だけでなく「どんな一日を想像したか」も書くことにする。次の一枚を見る目が、また少し変わっていた。

〈商品注記〉
Art. Nr. 2120105-1。白、綿57%、ポリエステル38%、エラスタン5%。細かな通気孔、透けにくい生地、覆われたウエスト、ハイレグのクラシックな形という公式説明に基づく。通気性や着用時の温度を本稿で測定したものではない。前開きの有無、個別製造国は今回確定していない。

〈出典〉
既存の選定商品:
https://www.mey.com/en/briefs-serie-mey-dry-cotton-breeze-2120105-1-white/p/

編物工場からの歩み・男性下着への展開:
https://www.mey.com/ca/company-history

009|Olaf Benz――小さな輪郭に、作り手の仕事が集まる

研究材料:RED1601 Brazil Brief

ケムニッツで路面電車を待ちながら、博士はポケットの切符を取り出した。何度も折ったせいで、端が小さく裂けている。小さな紙にも折り方の都合があるのだな、と考えたところで、次のOlaf Benzの輪郭が頭に浮かんだ。

1989年からの歩みを持つOlaf Benzは、明快な形と装飾を抑えたデザインを掲げる。公式のものづくりの説明では、生地や糸を選ぶことに加え、素材に合わせて基本の裁断を発展させていく姿勢が語られている。輪郭を小さくするだけでは、同じ服を小さくしたことにはならない。その布に合う形を探す仕事がある。

博士が選ぶ「RED1601 Brazil Brief」は、綿92%、エラスタン8%。技術や新素材への関心を持つブランドの中で、今回は綿を主とする一枚に向き合う。コンパクトな形を見ていると、脚ぐりや脇に置かれた線が、昨日までより目に入るようになった。

meyでは生地の空気の通り道が気になった。今度は、その生地をどこまで使い、どこで切り上げるかに関心が移る。素材と形を別々に眺めていた出発前の自分には、まだ見えていなかった関係だ。

「小さな服ほど、作り手の仕事まで小さいわけではないのだな」

博士は選んだ一枚の包みを、鞄の角へ押し込もうとして手を止めた。余白があれば埋めたくなるのは、自分の荷造りの悪い癖だった。紙の切符と同じように、布にも無理のない収め方があるだろう。

歩道のベンチで荷物を置き直すと、ノートが滑り出した。拾い上げたページには、最初の日の「一ブランドにつき、研究材料は一枚」という規則が見える。博士はしばらく眺め、それから閉じた。規則を消すつもりはない。ただ、一枚ごとに考えることが増えたせいで、ノートまで厚くなっている。

夕方の街へ歩き出す。次のMANSTOREは、同じ企業に関係するブランドだという。では、同じ作り手の背景から、どれほど違う一枚が生まれるのだろう。

〈商品注記〉
商品番号1-07411。対象商品ページで綿92%、エラスタン8%を確認。今回再利用した既存本文には固定色の記載がないため、ページに複数色があっても新しい選定色を追加していない。前開きの有無、個別製造国、詳細な縫製仕様は今回確定していない。

〈系列メモ〉
Premium Bodywear AGはOlaf BenzとMANSTOREの製造・販売について長期ライセンスと契約を扱う。両者を別ブランドとして数え、独立企業二社とは表現しない。

〈出典〉
既存の選定商品:
https://www.olafbenz.com/en/underwear/briefs/red1601-brazil-brief.html

素材・裁断・縫製への方針:
https://www.olafbenz.com/en/about-olaf-benz/

1989年からの歩み:
https://www.premiumbodywear.de/en/olaf-benz-2/

MANSTOREとの関係:
https://www.premiumbodywear.de/en/multi-label-concept/

010|MANSTORE――同じ旅の中で、少し違う自分を選ぶ

研究材料:M2513 Micro Brief

夕方、ケムニッツの通りに音楽公演の案内が灯った。博士は昼間とは違う街の顔を眺めながら、MANSTOREを思った。昨日までなら少し気後れしたかもしれない表現にも、今日は足を止められる。パリで黒いチュールを選んだことが、まだ心のどこかに残っていた。

MANSTOREの物語は、ドイツだけで始まるわけではない。公式沿革は1983年、アムステルダムの男性下着店と、Hans Schöllerによる同名レーベルの始まりを記している。その後、創作の担い手が加わり、2002年からケムニッツのPremium Bodywear AGとの歩みへつながった。

メーカー側は、Olaf BenzとMANSTOREを、異なる個性を持つブランドとして展開している。すっきりした線へ目を向けたOlaf Benzに対し、MANSTOREは目を引く素材や形、自己表現を前面へ出す。背景がつながっていても、着る人へ差し出す楽しみは同じとは限らない。

今回の「M2513 Micro Brief」は、ポリアミド80%、エラスタン20%。綿を主にするRED1601から、今度は違う素材の組み合わせへ移る。博士は小さな輪郭を眺め、自分のいつものシャツとズボンを思い浮かべた。その内側に、誰にも見えない小さな冒険があってもよい。

「旅先では、知らない道へ一本入ってみるものじゃからな」

そんな理由で一枚を選んでから、博士は少し笑った。道を一本変えることと、下着を選ぶことが、いつの間にか同じ話になっている。

ホテルへ戻ると、袋を隠すように鞄へ詰めるのをやめ、ベッドの端へ順に並べた。白い定番、黒い三枚組、光を通す布、小さな形。どれも自分で選んだものだと思うと、荷物の増え方まで、少し誇らしく見える。

次はスイスへ向かう。博士は切符を新しいページへ挟み、空いた行に「楽しみにしている」とだけ書いた。研究の結論はまだ先でも、旅を続けたい気持ちは、もう十分に育っていた。

〈商品注記〉
商品番号2-12837。公式ページでポリアミド80%、エラスタン20%を確認。今回のページ表示色はskinだが、再利用した既存本文に固定色が明記されていないため、新しい選定色として確定していない。前開きの有無、個別製造国、詳細な構造は今回確定していない。

〈系列・地域メモ〉
Olaf Benzと同様、Premium Bodywear AGの製造・販売ライセンスと契約に関係する別ブランド。既存の紹介順に従いドイツの旅程で扱うが、公式沿革が示すアムステルダムでの起源を、ドイツ発祥へ置き換えない。

〈出典〉
既存の選定商品:
https://www.manstore.com/en/underwear/briefs/m2513-micro-brief.html

アムステルダムからの沿革・表現方針:
https://www.premiumbodywear.de/manstore/

Olaf Benzとの関係:
https://www.premiumbodywear.de/en/multi-label-concept/

011 HANRO――人に見せない朝のために

スイスへ向かう車内で、博士はノートに挟んだ切符を取り出した。裏へ何か書こうとして、まだ必要な切符だったことに気づく。代わりに到着後、駅前で絵葉書を一枚買った。家へ知らせたいことは増えたのに、書き出しの「元気に研究しています」の先が、なかなか決まらない。

HANROの始まりは、1884年のスイス、リースタール。Albert HandschinとCarl Ronusが築いたニットの事業に、その歩みをさかのぼる。二人の姓を組み合わせた名を知ると、博士には、短いロゴの後ろに二人分の仕事が見えてくるようだった。華やかな装飾を探す前に、まず編まれた布を見たくなるブランドである。

代表に選ぶのは、白の「Cotton Pure Briefs with Fly」。綿100%の細かなリブ編みに、マーセライズ加工を施した生地を使う。前開きと裏付きの前部を備え、丸編みを生かして脇の縫い目をなくし、脚ぐりのゴムは生地で包む。外からは目立ちにくい場所に、いくつも設計の手が入っている。

博士は、自分のシャツの袖口を折り返した。ふだん、服を選ぶときには表の色や形から見る。だが肌へ向く側には、縫い目やゴムという別の景色がある。この白い一枚を前にすると、裏返して眺める時間まで買い物の楽しみになりそうだ。

「特別な日に、と取っておいたら、普通の日が少々かわいそうじゃな」

博士は白い一枚を選んだ。盛装の日ではなく、いつもの朝に穿いてみたい。上等という言葉を、来客用の食器のように棚へしまっておく必要はないのだ。

カフェの窓際へ戻ると、絵葉書にようやく続きが書けた。「こちらでは、服の裏側を見る時間が増えました」。読み返して、少し説明が足りないと思う。しかし、そこからブリーフの話を始めるには葉書が小さすぎた。博士は最後に「帰ったら話します」と添え、次の町へ向かうために席を立った。

〈商品注記〉
代表商品:Cotton Pure Briefs with Fly・ホワイト。
Style:073631。公式ページの白色識別表示:073631-070101。
素材:マーセライズ加工を施した綿100%。
公式説明で、前開き、裏付きの前部、脇の縫い目をなくした構成、ミッドライズ、脚ぐりの被覆ゴムを確認。
「脇に縫い目がない」ことを、商品全体に縫い目がない意味へ広げない。

〈系列メモ〉
HANROはHUBER Holdingのブランド。同じグループのHOMとは別ブランドとして扱う。スイスでの発祥と、この商品の個別製造国は別の情報である。

〈出典〉
公式商品:
https://hanro.com/products/cotton-pure-briefs-with-fly-white-073631-070101

公式沿革・ブランド紹介・系列:
https://huberholding.com/en/companies-and-brands/hanro/

公式ブランド一覧:
https://huberholding.com/en/companies-and-brands/

012 Zimmerli――新しく覚える人の、一枚

絵葉書を投函したあと、博士は上着のボタンが一つ、頼りなく揺れていることに気づいた。取れる前に直そうと、宿で小さな裁縫セットを広げる。針の穴と糸の先が、どうにも友好的ではない。四角い眼鏡を外してみても、事態はそれほど改善しなかった。

その晩に読んだZimmerliの始まりは、博士の針仕事を少し励ました。1871年、アールブルクのZimmerli家は染色事業の行き詰まりに直面する。新しい編み機の記事がきっかけとなり、パウリーネはバーゼルで機械の扱いを学んだ。細かなストッキングや男性用靴下を作り、地域の外へ販路を広げていく。最初から完成された名門だったのではなく、新しい技術を身につけるところから道を開いたのである。

博士が選ぶ「Pure Comfort Slip」は黒。ピマ綿を用いた細かなコットンジャージーに、エラスタンを組み合わせる。長い繊維を持つ綿の選択と、それを薄い編地へ仕立てる仕事。その両方を経て、端正な一枚になる。素材欄は綿90%、エラスタン10%。公式ページは、この商品のスイスでの製造も説明している。

年数だけを聞けば、古い形を守り続ける会社を想像しやすい。ところが、創業の物語には新しい機械が登場し、目の前の商品にも伸縮性を加える素材がある。博士は「昔ながら」と「変わらない」を、少し乱暴に結び付けていた自分に気づいた。

「百年以上続くというのは、百年以上、何も覚えなくてよいという意味ではないのう」

ようやく糸が通った。博士のボタンは、きれいな職人仕事には程遠いが、先ほどより頼もしく留まった。生地と糸の向きを意識したせいか、黒いブリーフの仕立ても、ただの高級品という見方では済まなくなる。

一枚を選ぶ理由が、値札の向こうにできた。翌朝、博士は補修したボタンを留めて外へ出る。右と左で糸の見え方が違うことには、まだ誰も気づいていない。本人だけが何度も確かめ、少し胸を張っていた。

〈商品注記〉
代表商品:Pure Comfort Slip。
既存リンクに対応する色:black。
商品番号:1721463。
素材:綿90%、エラスタン10%。公式説明はピマ綿のジャージーを使用するとしている。
当該商品ページにMade in Switzerlandの表示あり。ブランドの全商品について、同じ製造国だとは一般化しない。
前開きの有無は今回確定していない。

〈出典〉
公式商品:
https://www.zimmerli.com/en/products/pure-comfort-slip-black-1721463-86

公式沿革:
https://www.zimmerli.com/en-row/pages/unsere-geschichte

013 CALIDA――休む時間まで、旅のうち

翌朝、博士は朝食の席へ早く着きすぎた。張り切って目覚ましをかけたものの、眠る時刻まで早まったわけではない。窓の外の庭を眺めながら、コーヒーの前で小さなあくびを一つ。「研究旅行にも、休息の研究が要る」と言い、今日は最初の寄り道を減らした。

CALIDAは1941年、スイスのスールゼーで始まった。公式沿革で博士が立ち止まったのは、1957年のパジャマの話である。ウエスト部分の工夫が成功につながり、ブランドを国外へも広めたという。下着の歴史をたどるつもりが、よく休むための服へ話がつながった。今朝の博士には、妙に身近な発見だった。

今回の白い「Focus Brief」は、その夜着そのものではない。綿とTENCELの組合せを説明する商品で、白の識別情報は22265-001。綿だけの白い定番を思い浮かべていた博士は、素材の名前を知って、同じ白にも選択肢が広がっていることに気づく。CALIDAの沿革には、日中の肌着へTENCELを取り入れた歩みもある。寝る時間と起きて過ごす時間の両方へ、肌に近い衣服を考えてきた会社なのだ。

博士は庭へ出て、日陰のベンチに腰掛けた。旅程をぎっしり埋めたノートの余白には、いつも商品名を追記してしまう。今日はそこへ、何も書かない時間を一つ残すことにした。時計を外し、手のひらに載せる。仕事の道具を少し遠ざけるだけで、眺める景色が変わった。

「休みの日の一枚を買うのに、休みなく働くのは妙ですな」

白いFocusを自分の休日へ迎えるつもりで選ぶと、帰国後の予定にまで、小さな空きが欲しくなった。予定表には研究の項目が多すぎる。庭の葉が揺れるのを見ているうちに、博士は夕方の用事を一つ、翌日へ回した。

ただし、午後のお菓子まで削る気はない。休息を大切にするという新方針には、温かい飲み物と甘いものが、きちんと含まれていた。

〈商品注記〉
代表商品:Focus Brief・ホワイト。
商品識別情報:22265-001。末尾のMはサイズを含む情報。
白色・商品番号の対応は、同じ公式サイトの別地域向けページの検索収録情報で確認。別色の22265を白色の根拠として流用していない。
公式説明に綿とTENCELの組合せ、Lyocellの表示があるが、今回取得できた範囲では正確な混率を確定していない。
一部の英語説明には「boxer brief」という語も混在する。商品名・分類のBriefと説明文の不一致を残し、そこから脚部や前開きの構造を補わない。
既存のドイツ向け商品URLは今回直接取得できず、現在の在庫・販売継続は未確認。

〈出典〉
既存の公式商品URL:
https://www.calida.com/en-de/p/brief-p-22265-001-m/

同一商品の公式補助資料・検索収録情報:
https://www.calida.com/en-be/p/brief-p-22265/
https://www.calida.com/en-lu/p/brief-p-22265-001-m/

公式沿革:
https://www.calida.com/en-wo/cms/calida/

スイスからイタリアへ――切符の余白、街の余白

出発の朝、博士は補修したボタンを確かめ、使い終わった切符をノートへ戻した。絵葉書、色の違う紙片、少し曲がった領収書。旅の記録は、きれいに揃うものばかりではなかった。

イタリアへ移動すると、ノートの余白に、覚えたばかりの短い言葉が加わった。コーヒーを頼むための一言と、礼を伝える一言。下着の専門用語より先に、朝食の注文が上達する。

ミラノで上着を羽織り直した博士は、建物の入口を見上げた。スイスでは服の内側へ向いていた目が、今度は街の装飾へ引かれていた。

014 Dolce & Gabbana――白い一枚に、小さな式典を

ミラノの通りで、博士は建物の飾りを見上げていた。入口の上、窓の縁、見落としそうな角にも意匠がある。歩く速度が遅くなり、昼食の店へ着くまでに、予定していた時間をすっかり使ってしまった。食卓でナプキンを広げながら、今日は飾りを見る日なのだと決める。

Dolce & Gabbanaは、ドメニコ・ドルチェとステファノ・ガッバーナによって1985年に生まれた。ブランドが繰り返し立ち返るのは、シチリアの文化や仕立ての伝統。華やかさだけを切り取ると大きな装飾が目に入るが、身体に沿わせる服の線、布の表情、細部の扱いも、その世界を形づくっている。

博士の代表商品は、白の「Stretch Cotton Mid-Rise Briefs」。公式の商品名には紋章を意味するcrestも含まれる。綿95%、スパンデックス5%のストレッチコットンジャージーを使い、腰のゴムへ、対照的な色のロゴと紋章を配している。白い本体を囲むその部分が、小さな額縁のように見えた。

HANROでは脇や脚ぐりの目立たない工夫に目を向けた博士が、ここでは、目に入るしるしを楽しんでいる。どちらか一方だけが丁寧な仕事なのではない。白い面を広く残しながら、どこへ視線を集めるか。その意匠が、普段の服の下にも一つの気分を用意してくれる。

「誰にも見えんのに紋章とは。わしの朝にも、少々の式典があってよいのかもしれん」

博士は上着の胸へ挿すつもりで、食卓の紙ナプキンを折りかけ、途中でやめた。食事用と装飾用は違う。代わりにネクタイの結び目を少し丁寧に整える。下着を選んでいるはずなのに、いつもの服装へ手をかけたくなっていた。

白い一枚を選び終えるころ、鏡に映る博士の姿勢は朝より少し伸びていた。商品を穿いた結果ではない。自分のおしゃれを、もう少し面白がってもよいと思えた、そのせいだった。

〈商品注記〉
代表商品:Stretch Cotton Mid-Rise Briefs・ホワイト。
公式の詳細名称:Stretch cotton mid-rise briefs with crest。
商品番号:M3C01JONN94W0800。
公式素材表示:綿95%、スパンデックス5%。
公式説明に、ミッドライズ、ロゴと紋章を配したウエストゴム、Made in Italyの記載あり。
既存URLは直接取得できなかったため、同一商品番号の公式地域別ページの検索収録情報で補助照合した。現在の購入可能性は確定していない。

〈出典〉
既存の公式商品URL:
https://www.dolcegabbana.com/en-jp/fashion/men/clothing/underwear-and-loungewear/stretch-cotton-mid-rise-briefs-with-crest-white-M3C01JONN94W0800.html

同一商品番号の公式補助資料・検索収録情報:
https://www.dolcegabbana.com/en-ae/fashion/men/clothing/underwear-and-loungewear/stretch-cotton-mid-rise-briefs-with-crest-white-M3C01JONN94W0800.html

公式企業資料・創業年と創業者:
https://world.dolcegabbana.com/corporate/code-of-ethics

公式紹介・シチリアと仕立ての位置付け:
https://world.dolcegabbana.com/fashion-shows/men-spring-summer-2027-fashion-show

015 Diesel――袖をまくる日の、もう一つの顔

翌日、博士はきちんと結んだネクタイを外し、シャツの袖をまくった。朝から歩き回るつもりだったのに、古いカメラを並べた店先で足が止まる。角の塗装が薄くなった一台が、妙に気になった。新しさだけで物を選んでいない自分を、少しおかしく思う。

1978年に始まったDieselも、既存の大きなカジュアルブランドとは違うデニムを目指した歩みを持つ。レンツォ・ロッソが創業に関わり、1985年に完全な経営権を取得したことが、OTBの沿革に記されている。名前には、当時の代替燃料としてのdieselと、国を越えて通じる言葉を選ぶ発想があった。博士には、最初から「普通の正解」の横へ別の道を引こうとする名前に聞こえた。

下着の「UMBR-ANDRE ブリーフ・3枚組」は、デニム生地のブリーフではない。本体は綿95%、エラスタン5%。ブランドとのつながりは、腰のジャカードゴムに織り込まれたロゴやDenim DivisionのDの意匠にも表れる。裏側の構成では、後部に縫い目を設けない仕様が説明されている。

博士はカメラのつまみから手を離し、自分の上着の内ポケットを探った。旅先では、使い慣れたものに助けられる。その一方、新しい一枚には、普段の自分から少しはみ出したい気持ちもある。下着なら、その冒険を誰かへ披露する必要もない。

「立派な顔で歩く日もあれば、袖をまくる日もある。引き出しまで一種類の性格でなくてよかろう」

三枚組を手にしても、今回は残りを予備だと言い張らなかった。フランスで一度使った理屈を、自分でも覚えている。博士は少し考え、「順番に出番がある」とだけ言う。研究計画としては曖昧だが、日々の楽しみとしては十分だった。

古いカメラは買わずに店先を離れた。今日は、新しい日常の方へ予算を使ったのである。

〈商品注記〉
代表商品:UMBR-ANDRE ブリーフ・3枚組。
公式ページの商品表示:UMBR-ANDRETHREEPACK。
商品ID:00SH050DDAI。
本体:綿95%、エラスタン5%。
ゴム部分:ポリアミド65%、ポリエステル23%、エラスタン12%。
公式説明で、ジャカードのロゴ入りウエストゴム、3枚組、後部の縫い目をなくした構成を確認。
既存原稿では選定色の細分を明記していない。取得ページにはBlack/Whiteの表示があるため、URL中のblackだけから「3枚とも黒」とは断定しない。
3枚組という販売単位を、3ブランドとして数えない。

〈出典〉
公式商品:
https://diesel.com/en-us/underwear-and-swimwear/umbr-andrethreepack-black/8051385295347.html

公式企業沿革:
https://www.otb.net/ja/history

公式ブランド紹介・デニムと名称の由来:
https://www.otb.net/it/diesel

016 Yamamay――自分には許していなかった色

昼の広場で、博士は色鉛筆を買った。絵葉書に短い手紙を書くだけでは、旅先の色が伝わりきらないと思ったからだ。ところが、淡い壁を塗るつもりの一本が、紙の上では予想よりずっと鮮やかだった。博士は慌てず、隣へ別の色を重ねる。少なくとも、風景は退屈ではなくなった。

Yamamayという名は、日本の山繭を思わせる蚕蛾の名に由来する。日本語に近い響きでも、ブランドの事業は2001年のイタリアで始まった。公式沿革には、その年の会社設立と最初の店舗、のちのホームウェアなどへの展開が並ぶ。名前に託した変化や美しさのイメージを、日々着るものへ広げてきたブランドである。

「New Fashion Color」の男性用Slipは、綿95%、エラスタン5%のジャージーを使う。ロゴ入りのウエストゴムと、対照色の縁取りが特徴だ。商品ページに並ぶ複数の色は、同じ形でも気分を変えて選べることを示している。博士がまず見比べたのも、派手か地味かではなく、面の色と輪郭の色がどう響き合うかだった。

絵葉書に戻ってみると、さっき重ねた色も、離して眺めれば悪くない。服を選ぶときには、白か黒かという二択へ急いでしまうのに、紙の上ではずいぶん大胆になれる。博士は色鉛筆を一本ずつ机へ並べた。

「絵には許して、自分には許さぬ色があるとは、不公平ですな」

すぐに一色へ決めなくてもよい。今日は、選ぶ時間そのものが楽しい。自分の引き出しのことを考えながら色見本を眺める博士は、先ほどまで壁の色で困っていた人とは思えないほど、落ち着いていた。

完成した絵葉書の空は、実際より少し明るい。宛名を書き終えると、博士は余白へ小さな蛾を描き足した。蝶のつもりかと聞かれたら説明が長くなりそうなので、まず自分の旅の記念として、ノートに挟んでおくことにした。

〈商品注記〉
代表商品:New Fashion Color。
公式商品名:Slip uomo in cotone elasticizzato New Fashion Color。
商品ID:ISLU181001。
素材:綿95%、エラスタン5%のストレッチジャージー。
公式説明に、ロゴ入りゴムと対照色の縁取りを確認。
今回取得したページはRosaを表示していたが、既存原稿には固定の選定色がないため、新たにRosaを正式選定したとは扱わない。
当該ページの製造国表示はBangladesh。ブランドのイタリアでの成立と区別する。
前開きの有無は今回確定していない。

〈出典〉
公式商品:
https://www.yamamay.com/it-it/products/slip_uomo_in_cotone_elasticizzato_new_fashion_color-islu181001

公式企業紹介・沿革:
https://corporate.yamamay.com/en/about-us/profile

公式企業報告・2001年の成立と名称の背景:
https://corporate.yamamay.com/sites/default/files/documents/yamamay_Report_2023.pdf

017 Perofil――ポケットのハンカチが教えたこと

ベルガモで休憩した博士は、菓子の粉を上着へ落としてしまった。払おうとして、かえって広げる。取り出したハンカチの端は、長い旅で少しくたびれていた。それでも丁寧に畳み直すと、朝、家を出るときから使い続けている道具らしい顔へ戻った。

Perofilの出発点も、1910年のベルガモにあった小さなハンカチ製造業だという。公式沿革は、布のハンカチを美しい箱に収めて販売した仕事を紹介している。博士は、下着の会社なら最初から下着を縫っていたはずだと、無意識に思っていた。小さな布をどう仕上げ、どう人へ届けるかという仕事から、肌着へ続く道もあったのだ。

代表の「X-Touch Mini Slip」には、モダール96%、エラスタン4%の生地を使う。今回のリンク先はGhiaccio Melangeと名付けた淡い杢色の商品。メーカーは素材の吸湿性などを説明するとともに、札を縫い付ける代わりに表示をプリントする工夫を挙げている。目立つ飾りを足すだけでなく、肌へ触れる小さなものを減らすことにも、設計の仕事がある。

博士は、自分のハンカチの縁へ目を落とした。折った端、残った糸、薄くなった角。大きさも用途も違うが、布は面だけでできているわけではない。端や表示の処理まで含めて一つの道具になるのだと、急に身近なものが教材になった。

「このハンカチも、今まで研究員だったとは知らなんだ。長く無給で働かせてしまった」

まず自分の上着をきれいにし、それからミニスリップを選ぶ。小さな形だから研究が簡単になるわけではない。何を残し、何を減らすかを知るほど、博士には見る場所が増えていく。

帰り道、土産にするハンカチも一枚欲しくなった。しかし今日は、長く使った一枚へ仕事を続けてもらう。菓子の粉を払ったあとは、丁寧に別の折り目を付けて、胸ではなく、いつものポケットへ戻した。

〈商品注記〉
代表商品:X-Touch Mini Slip。
リンク先の商品名:Slip Mini in Modal Elasticizzato X-Touch – Ghiaccio Melange。
公式表示の商品コード:VPRT93352/PRU00113MFA0026201832。
色表示:1579 ghiaccio melange。
素材:モダール96%、エラスタン4%。
公式説明に、ラベルをプリントへ置き換える工夫の記載あり。
吸湿性などはメーカーの商品説明であり、博士や本記事による着用・測定結果ではない。
商品名・色欄はGhiaccio Melangeだが、説明本文には別の杢色への言及もある。他色の説明を選定色へ転用しない。
前開き、個別製造国、現在の在庫は今回確定していない。

〈出典〉
公式商品:
https://www.perofil.com/en-eu/products/slip-mini-in-modal-elasticizzato-xtouch-ghiaccio-melange-pru00113mfa0026201832

公式沿革:
https://www.perofil.com/en-eu/pages/history

018 Lovable――帰ってからの暮らしを思い出す

宿へ戻る途中、博士は文具店で便箋を買った。絵葉書では伝えきれなかった話を、今度は長い手紙にするつもりだ。最初の一行は「よい下着をいろいろ見つけました」。読む側が続きを心配しそうなので、その上へ「食事もおいしく、元気です」と書き足した。

Lovableのイタリア公式沿革は、1962年からの歩みを赤いハートとともに紹介している。女性の身体を支える下着から、目立ちにくいベーシック、ホームウェアや水着へ。その時代の暮らしや装いに応じて、身につけるものの範囲を広げてきた。1998年には店舗を開き、顧客との接点を広げる歩みも記されている。博士が面白く思ったのは、歴史の主役が布だけでなく、それを選ぶ人の生活でもあることだった。

今回選ぶのは男性用の「Organic Cotton Briefs・2枚組」、黒。ロゴ入りの腰ゴムを備えたベーシックで、素材欄には綿95%、エラスタン5%と記される。女性向けの商品で知られる名でも、男性用のこの一枚は、男性用として用意された別の商品だ。博士はそれまで頭の中にあった売り場の区切りを、少し広げた。

華やかな贈り物を考えると、包装や特別な日のことが先に浮かぶ。けれど日々使うものを、自分のために少し丁寧に選ぶことにも、別の楽しさがある。黒い二枚組を眺めていた博士は、急に日曜の朝の自宅を思い出した。急ぐ用事がなく、洗濯物を畳んでから、ゆっくり朝食を作る日である。

「世界を回っておるのに、欲しくなる理由は案外、家の中にあるのう」

買い物を終えて便箋へ戻ると、手紙は研究成果の一覧にはならなかった。旅先で見つけたものが、帰宅後の暮らしを少し楽しみにさせることを書いた。最後に「お土産は何がよいですか」と添え、考え直して消す。好奇心に任せた選定が、相手の希望と一致するとは限らない。博士にも、そのくらいの慎みはあった。

〈商品注記〉
代表商品:Organic Cotton Briefs・2枚組。
選定URLに対応する色:Black。
公式検索収録情報の商品識別表示:L0A6DE2-004。
素材欄:綿95%、エラスタン5%。
同じページの説明文には「entirely organic cotton」という表現もある。素材欄との整合が十分ではないため、商品全体を綿100%とは記載しない。
既存URLの直接取得はできず、商品情報は公式ページの検索収録情報による補助確認。現在の在庫・購入可能性は未確認。

〈系列メモ〉
既存記録にある「DIM Brands International系列、DIM・Abanderadoと関連」という関係は、過去の記録として保持する。
今回、現在の所有関係まで再確認したものではなく、そのまま現時点の系列と断定しない。
ブランド数と独立企業数は別に数える。

〈出典〉
既存の公式商品URL:
https://www.lovable.it/en/products/mens-organic-cotton-briefs-pack-of-2-black

公式沿革:
https://www.lovable.it/en/pages/lovable-storia

019 Tezenis――知らない曲にも、足は動く

ヴェローナで午後の広場を歩いていると、演奏の音が聞こえた。博士の知らない曲だったが、足先は勝手に拍子を取っている。曲名を知らないから楽しめない、ということでもないらしい。立ち止まって最後まで聴き、拍手をしてから、自分の歩く速さまで変わったことに気づいた。

2003年に始まったTezenisは、現在のOniverseグループの中で、移り変わる流行に素早く応えるブランドとして位置付けられている。公式紹介ではコレクションを定期的に更新し、音楽を、世代や国を越えて伝える言葉として用いてきたという。百年続く一枚だけが下着の面白さではない。今の装いへ接近し続けることで、日常の選択を動かす仕事もある。

代表商品は「Organic Cotton Briefs with Contrasting Trim and Logo」。白とライトグレーの杢色を組み合わせた色番号6001、商品番号2SN550である。綿92%、エラスタン8%の生地に、対照色の縁取りとロゴを合わせる。大きな柄を置かなくても、輪郭を示す線があるだけで、白い面の見え方が変わる。

博士はノートの隅へ、簡単なブリーフの輪郭を描いてみた。次に縁を一本なぞる。それだけで、最初の絵より形を意識する。色鉛筆を買ったときは風景を描くつもりだったのに、役に立つ場所が思わぬ方へ広がっていた。

「若い人向け、という看板を見て、わしの好奇心まで退席する必要はないな」

もちろん、誰かの若さを借りるための買い物ではない。今の自分が面白いと思う意匠を、自分の生活へ一つ加える。それなら、白髪の七三分けも、年季の入った上着も、そのままでよい。博士は選んだ一枚の横へ、先ほど聞いた曲の拍子を、点でいくつか書き添えた。

夕方、英国へ向かう次の旅程を開く。今度はどんな日常着に出会うのだろう。紙を押さえる指先は、まだ広場のリズムを覚えていた。

〈商品注記〉
代表商品:Organic Cotton Briefs with Contrasting Trim and Logo。
商品番号:2SN550。
色:6001/Bianco・Grigio Chiaro Melange。
公式の同一商品・同色ページに、本体と副素材とも綿92%、エラスタン8%の表示あり。
商品名・カテゴリはBriefsだが、英語説明本文にはboxersという語が混在する。混在部分から股上、縫製、性能などを追加推定しない。今回、商品画像による形状の再検証は行っていない。
前開き、個別商品の製造国、現在の在庫は未確認。
既存のキプロス向けURLは直接取得できず、同一商品番号・色番号の公式地域別ページの検索収録情報を補助資料とした。

〈系列メモ〉
TezenisはOniverseのブランド。別章のIUMAN Intimissimi Uomoとは同系列だが別ブランドであり、独立企業二社として扱う意味ではない。

〈出典〉
既存の公式商品URL:
https://www.tezenis.com/cy/product/organic_cotton_briefs_with_contrasting_trim_and_logo-2SN550_color_6001.html?dwvar_2SN550__color__6001_Z_COL_TEZ=6001

同一商品番号・色番号の公式補助資料:
https://www.tezenis.com/se/product/organic_cotton_briefs_with_contrasting_trim_and_logo-2SN550_color_6001.html

公式ブランド紹介:
https://www.oniverse.it/en/the-group/our-brands/tezenis.

公式グループ資料:
https://www.tezenis.com/on/demandware.static/-/Library-Sites-TezenisContentLibrary/default/dwb3185eb3/images/PDF/EINF_2024.pdf

イタリアから英国へ――色鉛筆の線、その続きを

英国へ向かう移動の間、博士はノートを開いた。Tezenisの縁取りを描いた色鉛筆の線。その横には、広場で聞いた曲の拍子が、小さな点になって残っている。

指先でそっと机を叩くと、胸元のボタンが目に入った。スイスで付け直した糸は、まだ少し不格好だが、きちんと役目を果たしている。旅の買い物だけでなく、旅の途中で覚えた手間も、一緒に次の国へ運ばれていた。

白い一枚を探すつもりで始めた旅なのに、いまは、その白を作る前に何があったのかが気になる。英国の頁を開くと、博士は色鉛筆の隣に、いつもの鉛筆を一本置いた。

020 Sunspel――布の中に、空気の居場所をつくる

ロンドンの朝、博士は宿の窓を少し開けた。イタリアの広場で耳に残った拍子を口ずさむと、通りの足音が違う速さで重なる。白髪の七三分けを整え、昨日の色鉛筆をしまう。今日は色よりも、布の中にある小さな空間が気になっていた。

Sunspelの歩みは、1860年、ノッティンガムでトーマス・ヒルが始めた事業にさかのぼる。背景にあるのは、当地のレースや靴下づくりだ。公式の技術紹介によれば、レース用だった経編み機を下着へ応用し、1914年にはセルラーコットンの下着を導入した。装飾のための編みの知識が、肌に近い日用品へ渡ってきたのである。

博士は、レースという言葉から花模様を思い浮かべかけ、考え直した。役立ったのは模様だけではない。糸の間に空間をつくりながら、布として成り立たせる方法そのものだった。「何もないところも、作り手の仕事なのじゃな」。窓を開けた自分の手を見て、少し愉快になる。

選ぶのは「Cellular Cotton Briefs・ホワイト」。綿100%の開いた編み地を使い、前開き、平らに仕上げる縫い目、伸縮する腰回りを備える。目を引く飾りを増やすのでなく、日々肌の近くで使う部分を整えているところに、博士は惹かれた。歴史が古いから選ぶのではない。その歴史の中で編み方を考えてきた理由が、目の前の一枚につながって見えた。

昼前、博士は歩道に置かれた椅子で紅茶を飲んだ。これを自宅の普段着の下に迎えるなら、特別な予定のない日にしたい。白い一枚を買い付け品に加えながら、そんな地味な楽しみを考えている自分に気づく。

「記念日のための下着もよいが、何でもない火曜日を楽しみにする手もある」

ノートの余白に、火曜日、と書いてから笑った。英国で次に知りたいのは、その“何でもない日”を、大勢の暮らしへ届けてきた名前だった。

〈商品注記〉
対象:Cellular Cotton Briefs・ホワイト。
商品コード:MBRF4503-WHAA。
公式商品説明:綿100%、前開き、フラットロックの縫い目、伸縮性のあるウエスト。製造国はポルトガル。
英国のブランド史と、この商品の製造国を区別しています。通気性などの説明はメーカー資料によるもので、独立した着用試験の結果ではありません。

〈出典〉
既存の公式商品URL:
https://eu.sunspel.com/products/mens-q14-cellular-brief-white-mbrf4503-whaa

公式の沿革・編み地解説:
https://eu.sunspel.com/blogs/the-journal/sunspel-and-mesh

021 Marks & Spencer――何でもない朝を、支える三枚

リーズの市場を歩いていると、博士の空腹は研究心より先に働いた。パンを一つ選び、果物を買い、値札を見て財布を開く。何をいくらで買うのかが分かる。それは当たり前のようで、旅先ではありがたいことだった。

Marks & Spencerの始まりは1884年、マイケル・マークスがリーズのカークゲート市場に出した店にある。やがてトム・スペンサーが加わり、商いは広がっていく。公式アーカイブをたどると、1920年代には紳士用品を扱い、1926年の記録にも下着が登場する。特別な一着だけでなく、毎日の身支度に必要なものを揃える店としての歩みが見えてくる。

博士が手を止めたのは「Pure Cotton High Waist Briefs・3枚組」だった。腰までしっかり覆う形で、前には開口部があり、本体は綿100%。商品説明には、柄物二枚と無地一枚の組み合わせが示されている。色や仕上がりを長く保つことを意図したStayNew™も、この商品で掲げられる工夫だ。

先ほどのSunspelでは編み地の来歴を考えたが、ここでは洗って、しまい、翌朝また選ぶところまで気持ちが進む。買った瞬間だけでなく、洗濯を何度も重ねる生活を商品説明が向いている。それが、博士にとってこの三枚組の面白さだった。

「毎朝、立派な決意をせずに選べる。それも、よい買い物かもしれん」

朝食のパンを食べ終えた博士は、紙袋を丁寧に畳んだ。自宅では、下着の引き出しが手前の数枚だけで回っている。いつもの一枚に手が伸びることを、これまでは無頓着だと思っていた。けれど、頼りにする形があるのは悪いことではない。新しい研究材料にも、そんな居場所を作ってみたくなった。

三枚組を選んだあと、博士は買い物ノートに「日常」とだけ大きく書く。ところが次の頁には、ずいぶん小さなブリーフの輪郭が待っていた。普段の形を見直したばかりの心に、さっそく別の問いが差し込んでくる。

〈商品注記〉
対象:Pure Cotton High Waist Briefs・3枚組。
公式ページの商品名:3 Pack Pure Cotton Assorted Pattern High Waist Briefs。
商品コード:T146705C。
組成:綿100%。装飾・付属部分を除く表記です。
ハイウエスト、伸縮ウエスト、前部の開口について公式説明があります。
色は本稿の選定条件として固定していません。確認したページのNavy Mix表示を、既存の選定色として遡って確定しません。
StayNew™の説明はメーカーによるものです。

〈ブランド区分〉
本章ではMarks & Spencerの一枠として掲載します。商品ページのM&S Collectionを追加ブランドとして重複計上しません。

〈出典〉
既存の公式商品URL:
https://www.marksandspencer.com/3pk-pure-cotton-assorted-pattern-briefs/p/clp60563578

公式企業沿革:
https://corporate.marksandspencer.com/about-us/our-history

公式アーカイブ・紳士服の沿革:
https://archive.marksandspencer.com/timeline/ms-menswear-timeline/

022 Kiniki――小さくすることで、何を残すか

英国の旅の途中、博士は小さな劇場で、ほとんど道具を使わない舞台を見た。椅子が一脚動くだけで、部屋が駅になり、駅が誰かの家になる。帰り道、削ぎ落とすとは、ただ物を減らすことではないのだな、と考えた。

Kinikiの「Newton Micro Brief」を見直す気になったのは、その晩だった。Kinikiは独自のデザインを掲げ、ブリーフだけでなく、ヒップスターやタンガなど形の幅を広げてきた英国のブランド。公式案内では、デザインと開発の拠点をスタッフォードシャーのニューカッスル・アンダー・ライムに置いている。

Newtonは、同社の従来型ブリーフを小さな輪郭へ作り直したモデルとして説明される。低めの位置に収まり、後ろは「3/4 cut back」。前後のパネルには縫い目を置かず、端の処理と、ラベルを付けない構成にも言及している。小さくする一方で、どこに縫い目を残し、どこから取り除くのかを考えた設計だ。

黒いMicro Briefを前に、博士は一度腕を組んだ。いつもの下着より面積が小さい。興味はある。だが、興味があることと、自分の引き出しへ迎えることの間には、まだ細い橋がある。

「小さな舞台でも、主役を引き受ける覚悟は要るらしい」

思わず声にすると、少し大げさで、自分で笑ってしまった。誰かに披露する予定があるわけではない。それでも、自分の好みの範囲を少し動かす買い物はできる。博士はこの一枚を、珍しい標本として遠ざけるのでなく、帰宅後に自分で選ぶ候補として迎えることにした。

サイズ表を眺める時間は、今度は短くなかった。細かな形を選んでおいて、肝心の大きさだけ雑に済ませたくなかったのだ。買い物を終えるころには、劇場で見た椅子の置き方まで思い出していた。少ない要素で何を残すか。それは、衣服にもずいぶん豊かな問いだった。

〈商品注記〉
対象:Newton Micro Brief。既存URLはBlackの商品を指します。
公式商品ページの検索収録情報では、ポリエステル90%、スパンデックス10%、低めの形、3/4 cut back、前後パネルの縫い目をなくした構成、ラベルなしの説明を確認しました。
個別ページの直接取得はできていません。現在の仕様・販売状況の再確認とは区別します。
ブランドの英国での設計・開発と、個別商品の製造国は別です。公式の旧案内と現行FAQでは製造拠点の説明範囲が異なるため、Newtonの英国製は断定しません。
水着向けTan Throughの機能を、このブリーフへ転用していません。

〈出典〉
既存の公式商品URL:
https://www.kiniki.com/products/newton-micro-brief-black

公式の下着紹介:
https://www.kiniki.com/collections/mens-underwear/micro-brief

公式FAQ・設計開発と製造拠点:
https://www.kiniki.com/en-de/pages/frequently-asked-questions

英国からスウェーデンへ――見るだけだった場所へ

英国を離れる前夜、博士は劇場でもらった紙をノートへ挟んだ。切符や絵葉書の間に、新しい記憶が一つ加わる。

次の滞在先はスウェーデン。旅程を決めたときは、ブランドを調べる時間ばかり確保していた。今度は、街を歩くための空白も少し残す。何かを買う予定のない朝が、どんな発見を連れてくるか。博士は、そこにも興味を持ち始めていた。

023 Björn Borg――名前に追いつくより、外へ出よう

ストックホルムの公園で、足元へ転がってきたボールを博士は拾った。返そうと軽く投げたつもりが、少し高く上がる。相手が追いかける間、博士は照れ隠しに手を振った。「研究ばかりで、肩の実技が不足しておったな」。その日は予定より遠回りして歩くことにした。

Björn Borgという名前から、まずテニスを思う人は多い。けれど衣料ブランドとしての公式沿革にも、興味深い転機がある。1984年にスポーツ衣料の事業として始まり、1989年にはアンダース・アルンボルゲルがClassic Shorts 3201を開発。17のパーツと平らな縫い目を用いたそのボクサーは、同ブランドの下着の歩みを語る重要なモデルになった。

今回選ぶのは、その歴史的ボクサーではなく「Cotton Stretch Briefs・3枚組」だ。綿95%とエラスタン5%、中程度の股上、ロゴを配したマイクロファイバーのウエストバンド。公式ページは生地の重さも170g/m²と示している。博士は、派手な競技の場だけでなく、日常の下着を具体的な設計対象にしてきたブランドなのだと受け取った。

長いブランド名が腰回りに走る姿には、隠れているものにも表情を持たせようとする楽しさがある。普段ならロゴを避ける博士も、今日は少し迷った。控えめであることだけを、自分らしさの条件にしていただろうか。

「名前を借りても、サーブまでは借りられん。しかし、散歩へ出る気分くらいは自分で作れる」

三枚組を選び、博士は翌朝の予定に公園を加えた。下着を替えれば運動が上達する、という話ではない。旅先で眺めるだけだった日常へ、自分も少し入ってみたくなったのである。

帰りの道では、ベンチへ腰掛ける前に、もう一つ先の角まで歩いた。買い付けノートに増えたのは商品名だけでなく、帰国してからの朝の過ごし方だった。

〈商品注記〉
対象:Cotton Stretch Briefs・3枚組。
商品識別:10004235_MP001。
公式説明:綿95%、エラスタン5%、170g/m²、中程度の股上、マイクロファイバーのウエストバンド。
対象URLの表示はBlackですが、本稿では既存記録にない選定色を新たに固定していません。
公式表示の製造国は中国。スウェーデンのブランド史とは区別します。
歴史上のClassic Shorts 3201の17パーツ構成を、今回のブリーフの仕様として扱いません。

〈出典〉
既存の公式商品URL:
https://www.bjornborg.com/en/cotton-stretch-briefs-3-pack-10004235-mp001/

公式沿革:
https://corporate.bjornborg.com/about/our-story

スウェーデンからデンマークへ――朝の予定を一つ空ける

翌朝の散歩を終えてから、博士は次の国へ向かう準備をした。予定表に増えた公園の一行を消す必要はない。帰国後にも使える予定として、そのまま残しておく。

デンマークでは、まず朝食をゆっくり選ぼうと思った。よい定番を知る旅なら、自分の日常の選び方にも、そろそろ目を向けてよい。

024 JBS――いつもの一枚が、いつもの店へ届くまで

デンマークへ移った朝、博士はパン屋で注文の順を待った。前の客は迷わず品を選び、会計を済ませて出ていく。自分はまだ二つのパンの間で揺れている。慣れた暮らしには、選ぶ手間を減らしてくれる定番があるのだと、列の端で考えた。

JBSは1939年、Jens Bjerg Sørensenによって始められた。公式沿革には、残った糸を利用した靴下やセーターづくりを経て、戦後に下着や寝間着を育てていった歩みが記される。博士が面白がったのは、製品だけでなく、店へ届ける方法も工夫していたことだった。

1950年代の記録には、少数のモデルへ力を注ぎ、小売店が過剰な在庫を抱えずに済むよう、小さな注文にも対応したという説明がある。良い物を作れば自然に届く、では終わらない。必要なときに、いつもの店で手に取れるようにする。その裏側までが、日用品を作る仕事だった。

研究材料の「Mini Slip・5枚組」は、低い腰位置で脚部分を持たない形。現行の商品説明はオーガニックコットン100%とし、JBSの男性用下着の中でも小さな形として紹介している。五枚組というまとまりを、博士は初めのころなら“お得そうな包み”だけで眺めたかもしれない。今は、洗濯と買い足しを繰り返す生活の中へ、同じ形が揃って入るところが気になる。

「毎朝、引き出しの前で研究会を開かずに済むわけじゃ」

帰宅した自分を想像すると、その利点は案外大きかった。もちろん、迷う買い物の楽しみも捨てない。けれど迷わず選べる日を用意しておくのも、作り手の役目なのだろう。

博士はようやくパンを一つ決めた。後ろの列を気にして振り返り、軽く会釈する。日常を支える品について考えている間に、朝食だけは少し難しくしてしまった。外へ出ると、温かい包みを両手で持ち、今日はもう迷わず最初の一口をかじった。

〈商品注記〉
対象:Mini Slip・5枚組。
MPN:0-1140-7-9。
公式説明:低い腰位置、脚部分なし、オーガニックコットン100%。
対象URLはSort(黒)の商品を示します。既存稿で固定していなかった選定色を、今回のページ表示だけで新たに確定する扱いにはしていません。
環境負荷や耐久性に関するメーカーの一般説明を、独立した比較試験の結果としては掲載していません。

〈出典〉
既存の公式商品URL:
https://www.jbs.dk/0-1140-7-9

公式沿革:
https://www.jbs.dk/om-os

デンマークからポーランドへ――まっすぐでない道も、歴史になる

北欧を離れ、博士はポーランドへ旅を進めた。ノートには、創業年の横へ細かな書き込みが増えている。作り始めた年だけでは、その後に何を選び、何を変えたのかまでは分からない。

次のブランドの歩みには、勢いよく広がった時期と、立ち止まった時期の両方があった。博士はワルシャワで、急いで結論へ向かわずに、その道筋をたどることにした。

025 Atlantic――白い一枚にも、再出発がある

ワルシャワで博士が足を止めたのは、古い街の写真を並べた書棚だった。今ある建物の姿と、写真の中の街並みを見比べる。ブランドの歩みも、創業から現在へ一直線に伸びるものばかりではない。Atlanticを調べて、そのことが心に残っていた。

公式のブランド史は、1990年代、ワルシャワの十年記念競技場で衣服を売った学生時代の商いから語り始める。創業者ヴォイチェフ・モラフスキが香港で下着を仕入れたことが転機となり、継続的な製造や供給へ進んだという。販売の拡大だけでなく、経営が行き詰まった時期と、休止を経た再出発も記している。博士には、成功だけを並べないその説明が印象深かった。

商品づくりでは、Classic、Sport、Miniなど、覆う範囲や腰位置の異なる形を分けて案内している。今回の研究材料は、名前も正確に「モダール・ピマ綿混紡のMini Briefs・ホワイト2枚組」。モダール47%、ピマ綿46%、エラスタン7%を組み合わせ、腰位置を低く、脇を細くした形だ。腰ゴムは生地で覆う構成になっている。

白は博士の得意分野のはずだった。だが、いつもの白に近い安心感と、細い脇の輪郭へのためらいが、同時にやってくる。見慣れた色だからこそ、形の変化をはっきり感じるらしい。

「白なら選び慣れておると思ったが、白のほうは、わしの習慣など知らんようじゃ」

博士は二枚組を選び、店を出る。最初は、旅の終わりに同じ色の下着がずらりと並ぶと思っていた。しかし、同じ白という言葉の中にも、入口は幾つもあった。新しい土地へ出なくても、いつもの引き出しで小さな再出発はできるのかもしれない。

書棚で迷っていた街の写真集は、結局そのまま戻した。記憶に持ち帰りたい風景は、頁を買わなくても残る。その分だけ鞄に余裕ができた、と計算しかけて、博士はその考え方こそ危ないのだったと苦笑した。

〈商品注記〉
対象:モダール・ピマ綿混紡のMini Briefs・ホワイト2枚組。
商品識別:2BMP-014。
組成:モダール47%、ピマ綿46%、エラスタン7%。
低めの腰位置、細い脇、生地で覆った腰ゴムについて公式説明があります。
ピマ綿を使うことを、綿100%や医学的な肌への効果と読み替えていません。
公式沿革にある過去の事業展開と、現在の個別商品の製造国は別です。

〈出典〉
既存の公式商品URL:
https://www.atlantic.pl/219-slipy-meskie-mini-2bmp-014-biale-bawelna-pima-bielizna-atlantic-basic.html

公式ブランド史:
https://www.atlantic.pl/content/4-o-firmie-atlantic-bielizna-meska

公式の商品づくり・形の区分:
https://www.atlantic.pl/

ポーランドからスペインへ――残りの頁を、急がずに

ノートのヨーロッパの区切りが近づいてきた。残る頁を早く埋めたい気持ちもある。けれど博士は、移動の合間に予定を一つ減らした。

次はスペイン。定番の白も、透ける生地も、花のある一枚も待っている。終わりが見えてきたからこそ、初めて出会う名前を、終盤の余白へ押し込めたくなかった。

026 Abanderado――誰かの定番を、自分の選択にする

スペインに着いた博士は、朝の広場で少し長くコーヒーを飲んだ。急いで次の名前へ進む前に、ここで暮らす一日の速さを、自分の足で受け止めたかった。椅子へ座り直し、上着の裾を引く。衣服を整える小さな動作は、旅のどこへ行ってもついてくる。

Abanderadoは1963年に最初の商品を作り、やがて男性用下着を中心とするブランドへ歩みを進めた。公式の周年記事は、製品の歴史とともにテレビ広告の時代も振り返っている。かつては女性が男性の下着を買うことを前提にした広告もあったという。その記録を読み、博士は自宅の引き出しが、いつから自分自身の選択になったのだろうと考えた。

今回選ぶ「Slip Cerrado・ホワイト」は、前を閉じたブリーフ。綿96%、エラスタン4%の生地に、柔らかな腰回りを重視した商品説明が添えられている。博士が気になったのは、遠くから目立つ装飾ではなく、毎朝指を掛け、身体を通す部分を商品の名前にまで掲げているところだった。

旅の初めなら、白い定番だと一目で理解した気になったかもしれない。いまは、誰が選ぶ商品として伝えられ、どこを変えながら日用品であり続けてきたのかまで知りたくなる。歴史を知るとは、古い広告の言い回しをそのまま今日へ持ち込むことではない。博士自身が、どんな一枚を欲しいと思うのかを考え直すきっかけにもなった。

「下着は自分で選びますぞ。朝食の量については、まだ相談を受け付けておる」

そう言って、残ったパンを見た博士は笑う。白いSlipを選んだ理由は、派手な挑戦ではなかった。自分の日常に、腰回りの作りを気に入って選んだ一枚を増やしたかったのである。

午後へ向けて広場の席が入れ替わる。博士も立ち上がった。次は、家族の暮らしへ長く下着を届けてきた作り手の話を聞くように、その沿革をたどってみよう。

〈商品注記〉
対象:Slip Cerrado・ホワイト。
公式商品名:Slip Cerrado Cintura Extra Suave Algodón Elástico blanco hombre。
商品識別:A077HE1-100。
組成:綿96%、エラスタン4%。前閉じ。
腰回りの柔らかさや圧迫に関する説明はメーカーによるもので、実着用で検証した評価ではありません。

〈系列メモ〉
既存記録では、DIM・LovableとのDIM Brands International系列上の関係を整理しています。
その記録を、今回確認していない現在の所有関係まで無条件に延長しません。ブランドの数と独立企業の数は分けて扱います。

〈出典〉
既存の公式商品URL:
https://www.abanderado.es/products/slip-cerrado-cintura-extra-suave-algodon-elastico-blanco-hombre

公式周年記事・ブランドの歩み:
https://www.abanderado.es/blogs/prensa-corporativo/aniversario-abanderado-60-anos-de-referencia-en-el-diseno-de-ropa-interior-masculina

027 Rapife――洗って、また着る日のために

バレンシア地方を旅する途中、博士は宿で洗濯の予定を立てた。晴れたから全部洗う、と勢いよく考えたあと、翌朝着る物までなくしてはいけないと気づく。日常の下着を研究する者が、日常の段取りには少々弱い。取り分けたシャツを椅子へ置き、Rapifeの歩みに目を向けた。

公式沿革が示す出発点は、1923年、バレンシア県Agullentの自宅の一階で始まった繊維の仕事だ。1950年の会社設立を経て、1964年にはRapifeの商標が登録される。事業の始まりとブランド名が生まれた時期は同じではない。女性用、男性用、子ども用の肌着を作り、後には乳幼児向けも広げてきたことが、この作り手の時間の厚みを伝えている。

企業資料は、企画から製品になるまでの多くの工程を自社で担うことを説明する。博士は工場の内部を見たわけではないが、肌着を世代ごとの暮らしへ届けようとする製品群に、その考え方を感じた。華やかな一度の出番より、洗ってまた着る朝を積み重ねる。その繰り返しに関わる仕事なのだ。

研究材料は「Cotton / Polyester Slip」。商品番号94の公式補助ページでは、綿とポリエステルを半分ずつ組み合わせる説明があり、商品欄は1×1の編みを示す。綿という名だけを大きく掲げるのでなく、ほかの繊維と組み合わせた日用品として作られている点が、博士には面白かった。

「研究の成果を生活へ戻すには、まず明日のシャツを確保せねばならんな」

選んだSlipを迎える自宅の暮らしを考えながら、博士は洗う物と残す物を分けた。新しい物を買う旅なのに、今持っている衣服を使い続ける手順も、少し丁寧になっている。買い付けノートの頁より、こういう小さな変化のほうが、帰国後に長く残るのかもしれない。

シャツを一枚残した博士は、これで明日の外出にも困らないと頷いた。次のバルセロナでは、その慎重な身支度の奥に、もう少し大胆なものを選ぶ勇気が顔を出すことになる。

〈商品注記〉
対象:Cotton / Polyester Slip。
既存の商品URLは変更していません。
公式検索収録情報では、商品番号94の別バリエーションURLに、綿50%・ポリエステル50%、商品属性1×1、スペイン製の説明があります。
既存URLの「94-965」と補助資料の「94-960」は末尾のバリエーション識別が異なります。既存URLの直接取得はできておらず、色・サイズまで同一として照合できたとは扱いません。選定色も新たに固定していません。
補助ページの編み地解説にはシャツを指す文章も混在するため、そこにある一般的な生地重量等を、このSlip固有の仕様へ転用していません。

〈出典〉
既存の公式商品URL:
https://www.rapife.com/es/ropa-interior-hombre/94-965-slip-hombre-algodon-poliester-8428435255376.html

同じ商品番号94の公式補助ページ・検索収録情報:
https://www.rapife.com/es/ropa-interior-hombre/94-960-slip-hombre-algodon-poliester-8428435255376.html

公式企業資料・沿革・生産方針:
https://rapife.com/empresa/indexEN.html

028 ADDICTED――輪の外から、もう一歩

バルセロナの夕方、博士は音楽の聞こえる広場で、しばらく人の動きを眺めた。輪の外にいるつもりが、いつの間にか靴先で拍子を取っている。イタリアのノートに残した点々が、今度は足元へ戻ってきたようだった。

ADDICTEDは、公式紹介で2009年のバルセロナでの誕生を説明している。ゲイの男性へ向けたファッションを明確に掲げ、下着、水着、スポーツウェアへ表現を広げてきたブランドだ。身体を目立たせないためだけでなく、自分の姿を楽しむための衣服も作る。その姿勢は、ロゴやメッシュを前面に出した商品にも表れている。

博士の研究材料は「PUSH UP MESH BRIEF・AD805」。メッシュの生地、ブランド名を見せるウエストバンド、前部のボリュームを強調する意図の設計を組み合わせたブリーフだ。構成繊維はポリアミドを中心に、エラスタン、ポリエステル、ビスコースも含む。透けることや前部の見え方が、ここでは隠すべき問題としてでなく、意匠として扱われている。

博士は、これを選んだ自分が、いつもの落ち着いた上着を着て帰宅する姿を想像した。外から見えない場所にも、自分で楽しむ大胆さを持っていてよい。年齢に合うかどうかという問いより先に、面白いと思った気持ちがあった。

「上着はいつものままでも、その下まで毎日同じ考えでなくてよいわけじゃ」

研究者らしく言い切ったつもりが、口元はずいぶん嬉しそうだった。博士はこの一枚を選ぶ。誰かの視線のためだけでなく、自分が服を選ぶ時間を少し変えてみたかった。

広場を離れる前に、博士はようやく輪の近くまで歩いた。踊り手になったわけではない。ただ、曲が終わるまで立ち去らず、最後に手を叩いた。遠くから眺めて分かったつもりになるより、興味のあるものへ一歩近づく。その一歩の小ささが、今日の博士にはちょうどよかった。

〈商品注記〉
対象:PUSH UP MESH BRIEF・AD805。
公式組成:ポリアミド80%、エラスタン10%、ポリエステル5%、ビスコース5%。
公式ページにバルセロナでの設計・製造の記載があります。
選定色は固定していません。
PUSH UPはメーカーが示す設計上の特徴として紹介し、身体への効果や着用結果を実証済みとはしていません。
下着のBriefを対象とし、同ブランドの水着やTバックへ差し替えていません。

〈系列メモ〉
公式サイトの運営表示はDENIER S.L.。ES Collectionとは関連する別ブランドとして扱い、独立した二社とは数えません。

〈出典〉
既存の公式商品URL・運営表示:
https://addicted.es/briefs/2117-ad805-push-up-mesh-brief.html

公式ブランド紹介:
https://addicted.es/

029 ES Collection――引き出しにも、花を迎える

翌朝、バルセロナの街角で、博士は花を一輪買った。誰かへ贈る予定はない。宿の部屋に置きたかっただけだった。花束にするかと自分で考え、一輪でも十分に嬉しいのだから、今日はこれでよい、と決める。白ブリーフの旅の最後に、花を持って歩くことになるとは思っていなかった。

ES Collectionは2006年に始まったブランドとして、関連するADDICTEDの公式紹介にも記されている。両者の公式サイトは運営主体にDENIER S.L.を掲げるが、同じ会社の名があることと、同じ名前のブランドであることは別だ。博士が最後に選ぶ「DAISY FLOWER BRIEF」は、その違いを商品の表情から知る一枚になった。

商品説明が示すのは、透ける生地にレースのような効果を持たせ、全体へデイジーの花のモチーフを置いたブリーフ。ポリアミド92%、エラスタン8%で、前部にはゆとりを持たせたパウチを設ける。腰の前に配するシリコーンのロゴも生地に色を合わせる。その控えめな合わせ方が、博士には花を主役にする工夫に見えた。

昨日のADDICTEDでは、メッシュと前部の見え方が気になった。今日は透ける布の上に花がある。同じように薄く見える生地でも、博士の気持ちを動かす場所は違っていた。植物の模様を“自分には縁のない装飾”と片付けていたころなら、ここで歩みを止めなかったかもしれない。

「花を飾る部屋に住んでおる者が、引き出しの花だけ遠慮する理由もないか」

選び終えた博士は、買い物の包みと一輪の花を持って宿へ戻った。花を水に差すと、いつも仮住まいに見えていた机が、ほんの少し自分の場所になる。新しい一枚を迎えることにも、似た嬉しさがあった。

ノートの029の横には、短い線を一本引いた。順位を決めるための線ではない。ここでヨーロッパの一章を閉じ、次の頁へ進むための線だった。博士は椅子を引き、初めてこの旅の品々を、急がず振り返ることにした。

〈商品注記〉
対象:DAISY FLOWER BRIEF。
商品識別:UN594。
公式組成:ポリアミド92%、エラスタン8%。
透ける生地、レース調の効果、デイジーの花のモチーフ、前部パウチ、同系色のシリコーンロゴについて公式説明があります。
公式ページにバルセロナでの設計・製造の記載があります。
選定色は固定していません。ページに掲載されるWhite・Navy・Blackのいずれかを、初期表示だけで選定済みにはしていません。

〈系列メモ〉
公式サイトの運営表示はDENIER S.L.。ADDICTEDとは関連する別ブランドとして掲載します。

〈出典〉
既存の公式商品URL・運営表示:
https://escollection.es/sexy-briefs/3125-daisy-flower-brief.html

関連ブランド公式サイトに掲載された沿革説明:
https://addicted.es/

白ブリーフ研究所の博士・ヨーロッパ編

エピローグ――閉まらない鞄と、開いたままの好奇心

宿の机には一輪の花。椅子には明日着る上着。ベッドの上には、ヨーロッパで出会った研究材料が並んでいた。

博士は、まず旅の初めのように白いものをまとめようとした。ところが途中で手が止まる。白の隣へ白を置いても、話はそれだけではつながらない。前開きの発想を考え直した一枚があり、編み地の歴史に惹かれた一枚があり、洗ってまた選ぶ暮らしを想像した一枚もある。

博士は並べる手を休め、ノートを最初からめくった。

マルセイユで始まった頁の先に、雨の街、車窓、絵葉書、慣れない針仕事が続く。途中からは、欲しい物の記録に、自分がなぜ欲しくなったのかが書き添えられていた。

出発前は、よい白ブリーフを知れば、選択肢を少し絞れると思っていた。ところが、作り手を知るほど、気になる理由が増えてしまった。丈夫そうだから、華やかだから、歴史が長いから。そのひと言で済ませていた場所に、糸の扱い方や、腰回りの設計や、店へ届ける工夫が現れたのだ。

「困ったな。研究が進んだのに、迷う理由が増えておる」

その声は、少しも困っていなかった。

博士は衣服を畳み、研究材料を収め、鞄の蓋を下ろした。ファスナーは角の手前で止まった。もう一度試しても、同じところで止まる。初日には、あんなに軽かった鞄である。

外ポケットへ手を入れると、折り畳みの袋が出てきた。用意したときには、使わずに済むと思っていたものだ。広げると、予想より頼もしい大きさだった。

「一ブランドにつき、研究材料は一枚。この方針は守っておる」

博士はそこで少し黙り、セットの包みへ目をやった。

「販売単位については、帰ってから詳しく説明しよう」

そう言いながら、袋へ移したのは研究材料ばかりではない。絵葉書や小さな旅の品もある。旅が増やしたものを、すべて下着のせいにするのは、さすがに公平ではなかった。

最後に博士は、自分の着替えの側へ一枚を寄せかけた。そして笑いながら、いったん元へ戻す。帰宅してから最初にどれを選ぶか。その楽しみは、まだ残しておきたかった。

四角い眼鏡を外し、窓の向こうを見た。二十九の名前は、二十九段の順位表にはならなかった。代わりに、自分の知らなかった日常へ通じる、二十九の入口になっていた。

翌朝には、次の旅へ向かう。北米では、どんな歴史が日々の一枚を作り、どんな形が当たり前になっているのだろう。ヨーロッパで覚えた問いを、そのまま答えにせず持っていこう。

博士はノートの新しい頁に「030」と書いた。

「百聞は一見にしかず。百ブリーフは一穿きにしかず!」

まだ世界一の一枚は決めない。
その代わり、世界には会ってみたい作り手が、まだたくさんいる。

閉まった鞄と、膨らんだ予備の袋を持ち上げる。
好奇心だけは、どちらにも収まりきらなかった。

ヨーロッパ編・おわり。

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編集注
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1.創作旅行記と実体験について
本章は、公開されたメーカー・商品資料をもとにした創作旅行記です。博士の移動、街での出来事、買い物、会話、荷物の描写は架空です。実際の店舗訪問・取材・購入・着用によるレビューではありません。実在のメーカー担当者の発言や工場見学の実績を創作していません。

2.二十九ブランドと企業数について
本章の二十九ブランドは、独立した企業二十九社を意味しません。同系列の別ブランドを区別し、旧名、商品ライン、シリーズを追加ブランドとして二重計上しない方針です。
既存記録で整理したHOMとHANRO、EminenceとSCHIESSER、Olaf BenzとMANSTORE、DIM・Lovable・Abanderado、ADDICTEDとES Collectionの関係は、各節の系列メモと併せてお読みください。現在の所有関係を再確認できていないものは、過去の記録としての範囲を明示しています。

3.ブランドの発祥地と旅先について
ブランドの発祥地、現在の企業所在地、個別商品の製造国、博士が物語上立ち寄る街は別です。
MANSTOREの起源に関するアムステルダムの記録と、ドイツを巡る本章の旅程を同一視していません。英国ブランドの商品にポルトガル製、スウェーデンのブランドの商品に中国製の表示がある場合も、発祥国を書き換える理由にはしていません。

4.セット商品の「一枚」について
博士の「一ブランドにつき、研究材料は一枚」は、物語上の研究標本の考え方です。三枚組・五枚組などの実際の販売単位を、一枚売りへ変更する説明ではありません。セット内の枚数をブランド数へ加算していません。

5.メーカー説明と着用試験について
編み方、素材、縫製、設計、技術名称は、示した資料の説明に基づきます。通気性、快適性、耐久性、形の保持、肌への影響などについて、本章が独立した着用試験や比較測定を行ったわけではありません。博士が欲しくなる場面も、その性能が実証されたことを意味しません。

6.脚なし形状に関わる未解決事項
CALIDA Focus・22265では、Briefという商品名・分類と、一部のboxer brief表記が混在しています。
Tezenis・2SN550でも、Briefsという商品名・分類と、一部のboxers表記が混在しています。
これらは混率の不明とは異なり、脚なしブリーフという本章の対象条件に関わる留保です。型番・色と対応する公式画像を含めた形状確認が十分でないため、注記を置いたことをもって確認済みとはしていません。商品を別のものへ差し替えてもいません。

7.そのほかの商品説明の不一致
L’Homme Invisibleでは、ブランド一般の製造国説明と対象商品の表示、商品名と説明文の範囲に混在があります。
Lovableでは、組成欄とオーガニックコットンに関する説明の整合性に留保があります。
Kinikiでは、旧来の英国生産に関する説明と、現行FAQの製造拠点説明を区別しています。
Rapifeでは、既存URLと補助資料のバリエーション識別が異なり、一般的な編み地解説に別衣類の文章も含まれます。
これらは各商品の注記の範囲を超えて断定していません。

8.色・型番・補助資料について
選定色を固定していない商品について、ページを開いたときの初期表示色を新たな選定色にしていません。型番、色、サイズを含む識別情報も区別します。
地域別の公式ページ、別バリエーションの公式ページ、検索収録情報による補助照合は、既存の商品URLを直接取得した確認と分けています。販売店資料をメーカー公式資料と呼び替えていません。

9.確認時点と購入可能性について
沿革や商品説明は資料を確認した時点の情報です。URLを掲載していることは、現在の在庫、全サイズの購入可能性、日本への配送、価格を保証しません。取得できなかったページを、その理由だけでリンク切れ・廃番とは断定していません。物語内の買い物も、現時点の販売状況を示すものではありません。

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